坂道(さかみち)は壺井栄の小説である。1952年(昭和27年)に『母のない子と子のない母と』とともに、第2回芸術選奨文部大臣賞を受賞した。
次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。
(前書き) この物語は太平洋戦争直後、人々が戦災にあって苦しい生活をしていた時代の話です。次の場面は「道子さん」の家に同居していた「堂本さん」が引っこしする途中の話です。
道子は十三歳。※バラックだての戦災住宅に、※くずやの父と内職している母、弟三人、堂本さん(父の親友の息子で、今は身よりがない)と七人で住んでいます。今日は堂本さんのひっこしの日。くずやで収入を得ながら、夜学の大学に通うことが決まったのです。ひっこしといっても、移る先は家から十五分程の二畳部屋、にもつはにぐるま一つ分です。弟の一夫と次男は車を押してお手伝い。子もり役の道子は、末のタケぼうの手をとり、他方の手にはチビのひもを持っています。
いちばん難所の坂道は、ちょうど中ほどにありました。そこまでのぼって、またくだると、その谷底のような町に、堂本さんの新しい家はありました。
「よいしょ。」
「よいしょ。」
(A) 「なんだ坂。」
「こんな坂。」
「こんな坂。」
「なんださか。」
「こんなさか。」
堂本さんと一夫たちの、かわるがわるのかけ声で、※大八車は坂道を上っていきました。坂道の両側は、戦災をのがれた大きな家が建ちならんでいます。まるでそれは、戦災住宅に比べるとよその国のようにりっぱな家ばかりでした。垣根に沈丁花のにおう家の前まできたときです。大谷石の門前にうずくまっていた大きな黒犬が突然、わわわわん!とおそろしくほえたてました。おどろいたチビ公が、急に車のわきをかきぬけて、向こうのほうへ逃げ出そうとしました。あっというまのことで、道子は自分の手からひもがぬけたことさえ気がつきません。大きな犬は、あっというまにチビ公にかけより、その首ねっこにかみついて、ぶるんとひとふり、ふり回しました。きゃんきゃんと、チビ公の悲痛な鳴き声とともに、
「うわぁ!」
(1) そんなさけびのかたまりが、車の前後からおこりました。
※ バラック 間に合わせに建てたそまつな仮小屋。
※ くずや 各家庭で不要となった衣類や紙類などを売買する職業。
なお、以下の文章(同作品から引用)を参考にしなさい。
いつかおとうさんが、じょうだんにいったように、くずやおはらい、とよんでまわるくずやさんなど今はもう、あまりありません。
「ごめんください」
と、勝手口からおとずれて、ほどのよい笑顔で、ほんの少しでも人より高くかい、あっさりと商売をしてゆけば、大ていおとくいはとれる、というのが道子のおとうさんのおしえたくずやのひけつでした。
※ 大八車 大きなにぐるまで、二、三人で引くもの。
問 (1) 「さけびのかたまり」とはどういうことですか。「さけび」と言わず、「さけびのかたまり」と言っている効果を考えて説明しなさい。
e:終戦後の「生活風景」
F:「人生風景」
e:を描いている作品?
F:壺井栄の『坂道』です。
e:『二十四の瞳』が有名で映画にもなっていますが・・・
F:もう、かれこれ35年前の出題で、当時、受験した子供たちは
e:40代後半でしょ!ということは?
F:親御さんの年齢にあたるでしょう。
e:既に結婚し
F:お子達がいて
e:「お受験」?な訳はない?
F:「中学受験」か?
e:いや、「高校・大学受験」かも?
F:また、現在、第一線で活躍中の中学校の先生方が
e:受験した年代でもある?
e:ということは先生ご自身が受験した『問題』を
F:今、御覧になっている。
e:可能性はある?例の去年の『開成』
F:「次郎物語」?
e:『坂道』が出題される
F:可能性は
e:皆無?
F:懐古主義でもないでしょうが・・・
何でおれは罪をかぶる気になったんだろう 下村湖人 ━次郎物語━ 駒場東邦中学
e:去年の開成の『次郎物語』とか?
F:白百合の『花々と星々と』
世はまことに多事だった 犬養道子 ━花々と星々と━ 白百合学園中学
e:いつの時代でも通用゛する゛テーマ゛?
F:というものはありますね。
e:確かに・・・
F:゛普遍的゛な主題は
e:不変?『麻布』の゛良さ゛はそこにある?
F:『過去問』を解いてても
e:゛古さ゛を感じさせない?
F:流行を
e:”ベストセラー”作品なんて追わない?
F:『過去問』が
e:゛過去゛の問題
F:にならないですね。
e:゛過去問゛は永遠に不滅?
(昭和26年童話集『柿の木のある家』により戦後第一回の児童文学賞、昭和27年に「母のない子と子ない母と。」「坂道」により文部大臣文学賞)
児童を対象とする短編で、中央公論社から発行されていた月刊誌『少年少女』1951年(昭和26年)6月号に発表された。発表当初の題は『坂途』であったが、後に『坂道』と改題した。1952年(昭和27年)3月には、10編の短編を収録した同名の短編集が中央公論社から刊行された。
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中学入試の合否を決する”決め手”は第1志望校攻略のための1年間のプログラム作成にあると考え、その年間のプログラムを「3の段階」に分けて作るとよいでしょう。
第1段階は『夏期講習』が始まるまで
第2段階は『夏期講習』が終わるまで
第3段階は『冬期講習』が終わるまで
しかし、この作業を初めて中学受験を体験されるご父兄には重荷になるでしょう。だからといって塾に相談をもちかけても適切なアドバイスをしてくれるとは限りませんね。 そこで、中学受験を知り尽くしたプロチュータ。その効果のほどは絶大。何故なら、マン・ツー・マンによる個人対応で3段階のプログラム作成は勿論のこと、年間を通してのメンタルなサポートやフォローもしっかりやってくれます。 座右の師=プロチューター20%の合格率を80%にしてしまうミラクルチュータを持つーこれが合格への最短距離だと断言できるでしょう。 志望校合格のカギ、それは徹底した年間プログラム作成とメンタルサポートとフォローができるプロチュータの存在です。 そして、この1年で、ライバルに決定的な差をつけ、『合格』の2文字を勝ち取りましょう。
【ポイント】 「記述力」というより”発想力”重視。決め手は初見で文章全体を掴む”把握力”とテキパキと問題を解いていく”情報処理力”。探さなければならない範囲が広く、文章の全体像が掴めていないと時間を浪費してしまいかねない「ストッパー問題」の類いが出題されることもあるから注意が必要だ。「40分」という時間を考えると高い処理スピードが求められるところが他校にはあまり見られない特徴。
【ポイント】 ”ひらめき”重視。「問題」を見た瞬間に閃かないと、いくら時間をかけても時間内に思いつかない可能性のある難問も。制限字数内で採点者を納得させる精緻な、的確な「表現力」が問われる。「45分」で制覇するためにはミスを犯さない”注意深さ”と、日頃からの「記述」をいとわない学習が必要だ。「記号選択」と言っても、内容の正確な把握が要求されており、ここを慎重にクリアしないと「合否」の”明暗”を分ける結果となりかねない。設問=解答数も少ないので、ミスひとつが致命傷になることは確かだ。「作文」の”出来不出来”が直截に「合否」に反映されてしまう年もあるから要注意。
【ポイント】 中等部の”真骨頂”は「一般常識問題」。単なる受験勉強ではなく、幅広く「日本文化」に親しむ”教養人”であることが大事。日頃、どれだけ「大人の文章」に接してきたか。「失点が明暗を分ける」構図は不変。「何でもありの意表をつく問題」で受験生を戸惑わせる。難攻不落の「知識」。「知っていて、いったい・・・」と、、野暮なことは言わずに、涼しい顔で正解していく「教養人」こそ、求められている。「教養人」としての”たしなみ”が試される中等部。「読解」で高得点を稼いだ後、”教養”が問われる「知識」、”大人度”が試される「漢字」で得点を重ねることが”合格”の鉄則。
・慶應義塾普通部への国語・・・・・・・・・・・・論説・物語・随筆文の徹底解読と論理と発想力の特訓
・慶應義塾湘南藤沢中等部への国語・・・・・物語・随筆文の本質の徹底解読と発想と表現力の特訓
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